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ローマ字の学習
今では小学生からタブレットを支給され、以前よりもローマ字やタイピングが身近になっていま す。発達障害のある子供たちが通所する放課後等デイサービスの現場でも、ローマ字やタイピング 方法の支援をする場面が増えてきました。
そこで今回は、勉強が苦手な子たちにローマ字やタイピングを教える際の工夫を紹介します。
タイピング練習:一文字編
いきなり「さぁ1人でタイピングしましょう!」ではハードルが高いです。
初めてタイピングの課題に取り組む際には、予めローマ字の一覧をコピーして手元に置き、いつで も見られる工夫をしています。デスクトップのパソコンの場合であれば、キーボードとモニターの 間に一覧を置くと見やすくなります。
また、ちょうちょなど「小さいやゆよ」の拗音や「小さなつ」の促音など打ち込みが難しい箇所 は最初のうちは講師が打つようにしています。タイピングに慣れてきてからは、ヒントを出しつつ 自分で打てるように支援していきます。
その他には、その子の苦手なローマ字にピンポイントで、キーボード上にマスキングテープなどで 印をつけ、視覚的に分かりやすくする工夫をすることも効果的です。
タイピング練習:単語編
また、打ち込む内容も工夫をし、最初は単語練習から始めます。その子が好きなことアニメや、電 車、食べ物など取り掛かりやすい内容を一緒に考えてから単語を打っていきます。
実際に単語をタイピングして調べ学習をすることも有効です。ただタイピングするだけでは何のた めにタイピングをするのか、子供たちにはゴールが伝わりにくいです。だからこそ、実践的な調べ 学習での支援は有効になります。
実際にこの方法でタイピングが上達していった子についてお話ししたいと思います。彼は小学6年 校の1学期から放課後等デイサービスの教室に通うようになりました。最初はアルファベットの大 文字、小文字を対応させることができないほどローマ字が苦手でした。
彼は勉強を頑張った後の調べものが大好きで、普段からよく歴代の仮面ライダーを調べています。 最初のうちは教室のタブレットでケータイ打ちをしていましたが、今ではローマ字一覧を手にし ながら進んでローマ字でタイピングをしています。
また、ローマ字でのタイピングができるようになっただけでなく、中学校に入学する頃にはアル ファベットに対する抵抗を減らすことができました。
タイピング練習:まとめ
単語が打てるようになったらもう問題はありません。あとは練習を重ねることででスピードは自 然に上がっていきます。
「寿司打」というサイトを使って指導員と対決しながらタイピングが速くになっていった生徒も居 ます。子供たちの成長速度はとても早いので、最初は指導員が勝っていたのにいつの間にか生徒た ちに負けるということもあります。
どんなことを勉強するにしてもスモールステップと楽しむことを忘れずにいることで、徐々に上達 していきます。