片付けができない・苦手!な子供の子どもの接し方と対処法【ADHD(注意欠陥・多動性障害)】

文部科学省はADHDを以下のように定義しています。 

ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害 で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。 

また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

 ADHDの特徴 

じっとしているのが苦手。気づいたらどこかへ行ってしまうことも。 

ADHDの特性をもつ子供は、長い間じっと椅子に座っていられない、同じ作業をし続けることが苦手(※ただし、ADHDと自閉症は併発する場合もあります。最近のデータでは、ADHDを持っている子でもひたすら繰り返し作業に没頭したり何かに集中しすぎて周りが見えないほどになる過集中が見られることがあります。)

しかし、基本的にADHDを持つ子の特性として興味の対象が移り変わりやすく、話の話題が急に変わったりするなど、話が飛んだりする様子が見受けられます。 

また、子供の場合、親が少し目を離した隙にどこかへ行ってしまうなどの特徴もあります。とにかくじっとしていることが苦手で椅子に座っていたとしても無意識に手足を動かして いたり、離席が目立つことが多いです。

時には興味のある方向に勝手に行ってしまうことも。ですので、親や大人から見ると落ち着きのない子と、とらえられがちです。保護者や指導者はこれらの行動に悩まされることもあると思います。 

交通事故には要注意! 

子共がまだ幼い場合は特に飛び出しによる交通事故などには十分に注意したいものです。万が一子供が飛び出した時は、単に叱るだけでなく、なぜいけないのかを説明したり、行き先を伝えてから行動したり、周囲をよく見て交通事故には十分に気を付けるように日ごろから習慣づけることが大切です。 

ADHDの子は片付けが苦手

ADHDの子は、おもちゃや自分の使ったものなどをとにかく片づけるのが苦手です。自分の興味のあるものはどんどん出してきますが、しまうことができない場合もあります。 

片づけるのが苦手な幼い子の場合は、物を片づける箱や場所にそのものの写真を張っておいたり、もう少し大きな子には文字でラベルをつけわかりやすくしたりするなどの工夫が有効です。

また、家の中で、どうしても片付けがはかどらない場合は、おもちゃを出してい いゾーンを決めるなども有効です。道具やおもちゃを片づけるスペースのルール(お約束) を作るのもいいでしょう。子供がきちんと片づけられたら、すぐに褒めましょう。(子供の善い行いを強化します) 

後になって褒めるより、できたとき、善い行いをしたときにすぐにほめてあげる方が子供も何をしてほめられたのかわかりやすく、善い行いをしたことがすぐに実感でき指導としても有効です。片づけ終わった時から時間が経ってから褒めるのではなく、その場ですぐに褒 めてあげるよう心がけましょう。 

成長とADHDと早期支援の必要性

ちなみに、上記のような特性を持つ子をADHDとは言いますが、子供は6歳くらい(幼稚園 年長くらい)までは誰でも少なからず好奇心が旺盛で多動・衝動傾向があります。

一般的には小学校に上がるころにはだんだんと落ち着きが芽生え、ADHDの要素は薄れていきま す。遅い子でも12歳(小学校高学年)くらいではかなり落ち着いてくる子もいます。しかし中学校に上がっても、落ち着きのなさが目立ってしまう場合は特別な支援も必要であると考えられます。

発達障害は完治するわけではありません。しかし、工夫や本人の意識、周りの支援次第で はその症状や特性が薄れていく目立ちにくくなる場合もあります。 

支援自体は早ければ早いほど効果的で有効といえます。 

もしお子様や周りに思い当たる子がいましたらぜひ早期支援を行うべきだと思います。

まとめ 

ADHDは、片付けが苦手だったり、衝動的に行動してしまったり、落ち着きがなかったりという特性を持っています。しかし、6歳くらいまでは誰しもが持つものでもあります。これらの特性をもつお子さんへの支援は早ければ早いほど有効と言えるので、その子に合わせた支援をできるだけ早いうちから行っていくと良いでしょう。決して悪いことではなく、その子の特性は、言い換えれば個性です。

その子が、普段の家庭での生活をはじめ、学校では集団生活、社会に出ればまた社会人として、自分の特性を理解し、うまく付き合って、これから先も生きやすいようになれば良いと思います。そのためにも早期発見、早期支援をこころがけて行きましょう。


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