うつ病の診断基準と原因

今回は、社会問題にもなっているうつ病について紹介したいと思います。うつ病を理解することによって、読者の皆さまの心の健康について考えるきっかけになれば幸いです!

うつ病について

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精神疾患の診断基準になるDSMでは、現在第5版のDSM-5が使用されています。そのなかでうつ病は抑うつ障害群に含まれます。

DSM-5の一つ前のDSM-4-TRでは気分障害群の中に含まれるものでした。今までは気分障害という大きな枠の中でうつ病を見ていたのですが、うつ病というカテゴリーが独立したことによって、うつ病がより重要視され、ケアされるべき疾患として扱われるようになったことが分かります。

また、うつ病は精神疾患の中でも最も罹患率の高い心の病の一つです。厚生労働省によって公表されているうつ病の患者数についての内容を紹介したいと思います。

「うつ病の12カ月有病率(過去12カ月に経験した者の割合)は1~8%、生涯有病率(これまでにうつ病を経験した者の割合)は3~16%である。日本では12カ月有病率が1~2%、生涯有病率が3~7%であり、欧米に比べると低い。一般的に女性、若年者に多いとされるが、日本では中高年でも頻度が高く、うつ病に対する社会経済的影響が大きい」

とのことです。国のクセにまた適当なこと言いやがって、と思うのですが国をケンカを売ると怖いので黙っておきます。

もっと詳しい統計があれば、実際には生涯発症率は高くなるかと思います。ですが、精神疾患の生涯発症率が1%(100人に1人、一学年33人の3クラスで一人が発症の割合)で多いと言われる精神医学の世界なので、生涯発症率が16%に上るはとても高いのが分かるかと思います。

ここでは、これほどの発症率の高いうつ病について共有していきたいと思います。

うつ病の診断基準

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筆者は以前うつ病を経験したことがあります。病院で見てもらったことは無かったのですが、心理学を勉強したことで「あ、あのときのあれはうつ病か!」と後日気付いたかたちになります。

原因は第一志望の大学に受からなかったことでした。初めての人生のなかでの大きな挫折を味わったので、人生は終わったと思い込んでいました。

高校生の世間知らずな当時の私には相当堪えたようです。症状としては「一日中無気力で、ベッドから立ち上がることができませんでした。身体が鉛のように重かったのです。また、一日の多くの時間を泣くことに費やし、何度も死を切望していました。おおよそ一か月間その状態が続きました。」

当時はうつ病だなんて微塵にも思っていなかったので、病院で受診をしませんでした。今はピンピンしているので、当時の話をすると少し驚かれることもあります。その後は、台湾の心理学部に進路が決まったことで回復しました。環境の要因が大きかったようです。

うつ病を経験した筆者が病院の受診しなかったので説得力はありませんが、思い当たる節があれば心療内科やカウンセリングを受診してください。

うつ病は気持ちが弱いからなってしまう病ではありませんし、根性で治すことは難しいです。また、うつ病は専門知識が無いと対処が難しい病になります。だからこそ、専門知識の豊富な専門家の方々と話すことで、一人で抱え込まないでほしいと思います。

国内でのうつ病の推移

(出典:厚生労働省患者調査)

気分障害とDSM-4の言葉を使っていること、2008年とデータがいかに古いかが伺えます。本当はもっと新しいのが見たかったんですがね!随分お仕事が速いですこと!

グラフから分かるように、うつ病の患者数は増加傾向にあります。「うつ病」が多くの方々に知られることによって受診する方が増えたことも増加傾向にある要因の一つです。

うつ病の環境的な原因

私は第一志望の大学に合格しなかったことが引き金となり、うつ病を発症しました。それでは他の方はどんな要因があったか見ていきたいと思います。

(出典:産業医科大学 名誉教授中村純 先生監修 うつ病ってどんな病気?うつ病の原因)

過度なストレスが原因となって発症するうつ病ですが、大きく分けて「人間関係からくるストレス」「環境の変化からくるストレス」に分けることができます。また、「昇進」や「結婚」と一見嬉しい変化においても、ストレスの要因になる場合があります。

うつ病になりやすい性格

似たような環境で、似たような物事に取り組んでも、うつ病を発症する方とうつ病を発症しない方が居ます。

また、こんな性格だとうつ病になって、こんな性格だとうつ病にはならない!といった占いのようなものはありません。どなたであっても、うつ病にかかる可能性はあります。

そのなかで、真面目で責任感が強く、人当たりもよく、周囲の評価も高い方がうつ病になりやすいという傾向はあります。

真面目な性格なために、自分の許容範囲を超えて頑張り過ぎたりストレスをため込んだり一人で責任を抱え込んだりしてしまうことで、心のバランスが崩れやすくなってしまうのです。

(出典:産業医科大学 名誉教授中村純 先生監修 うつ病ってどんな病気?うつ病の原因)

うつ病の治療法

うつ病はどこで治療してもらえるかというと、主に精神科精神神経科と書かれている医療機関になります。

そして、それらの医療機関では、精神療法薬物療法の治療が中心になります。精神療法とは、医師や公認心理師や臨床心理士といった医療従事者と患者さんが対話を重ねることによって問題の解決法を探っていくものになります。

薬物療法とは、その名の通り投薬による治療になります。抗うつ薬は効果が発揮されるまで2~3週間かかるので、比較的長期間の服用が必要になります。

抗うつ薬は基本的に脳内伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンのシナプス間の量を調節することによってうつ病を治療します。

脳内の神経伝達物質は微量で情緒にかなり影響を及ぼす物質なので、急激に分泌量を変化させると危険です。また、吐き気や眠気、頭痛などの副作用も出やすいので、最初は少量から抗うつ薬を服用することが多いです。

精神療法、薬物療法と同様に重要なのが休養を十分にとることです。忙しかったり、やることが多かったりすることが良しとされる風潮のあるなか、真面目な方は「何かしなくては」と常に考え行動し、休養を取ることに抵抗がある場合があります。

心と身体は密接に繋がっています。実際に身体が疲れていると、ネガティブな感情が誘発されます。身体が疲れている状態では、やる気は出しずらいはずです。だからこそ、心の健康を保つためには身体の休息も十分に取る必要があるのです。

まとめ

うつ病は再発率の非常に高い病です。また、うつ病はストレスにより脳の指令を出す神経伝達物質が正常に分泌されていなかったり、神経伝達物質が正常に受け取れない状態になっています。

ですので、気持ちの問題だけではなく、胃腸炎や風邪と同様に身体が正常でない状態になっている病です。人間には自然治癒力があるので、放っておいても改善に向かうこともあります。ですが、胃腸炎や風邪も放置していると悪化することがあるように、うつ病も適切な処置が必要です

うつ病は気持ちだけでどうにかするのは難しいです。だからこそ、うつ病が疑われる際には専門の医療機関に相談しましょう

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