寝ないと身体に悪い?睡眠と健康、メンタルヘルスに成績との関係

フクちゃんはアラーム設定しないと10時間以上寝ちゃうよ💤

「睡眠は大切!」なんて分かりきったことですよね。では、どうして寝ることが重要なのか、「睡眠と学習」、「睡眠と心身の健康」という観点から睡眠の重要性について共有していきたいと思います!!!

寝ないことは全然カッコ良くない

Russian Blue cat sleeping on whit textile

最近、巷では「寝てない自慢」や「寝てない自分カッコいい」、「忙しい自分は寝ていなくてカッコいい」といった風潮があります。

実際に、先進国は睡眠時間が発展途上国よりも平均睡眠時間が少ないそうです。

ショートスリーパー(7時間以下の睡眠時間でも心身の健康に支障が出ない人)がカッコいいという風潮もあるみたいですね。ショートスリーパーは忙しい日々が続いて唐突に進化できるものではありません。あれは、遺伝的なものであって、10万人に4人程度しかいません。一般ピーポーがショートスリーパーの真似したら身体を壊します。

寝てない自分がカッコいいと思っている人を見ると、「マジで勘弁してくれよ、寝ないことは全然カッコ良くないわ、寝ろ!!!」と、内心叫んでいます。

特に学業の成績が上がらないのに夜更かししている生徒を見かけると内心穏やかではありません。というのも、短期記憶から長期記憶に移行するのは寝ている最中だけです。しっかり寝ないと、いつでも取り出すことのできる記憶、つまりはテストでも使える記憶の長期記憶は形成されません。短期記憶と長期記憶に関しては「記憶形成」で詳しく解説いたしますね!

また、脳内の老廃物は寝ている最中しか排出されません。食べ物に例えるのであれば、ご飯を沢山食べた後にうんぴが排出されなければ体調を崩しますよね。同様に、老廃物が脳に蓄積されるとことは脳に悪影響を及ぼします。どんな悪影響を及ぼすかは後の項目で詳しく説明いたします。

そして、慢性的な睡眠不足は精神的健康にも影響を及ぼします。睡眠は三大欲求の一つでもあります。食べること、寝ることは今の命を繋ぐために必要な本能ですよね。この本能が満たされないことで心の健康にも大きな支障が出るのです。

眠る時間も無いという方も以下の内容を読めば睡眠がどんなに重要で、十分に寝ない方がデメリットが多いことが分かるかと思います。また、この記事を読めば寝てない自慢がどんなにカッコ悪いものかも分かるようになると思います🦉!!!

睡眠がとっても大切な理由1:記憶の形成

koala sleeping in the tree

「記憶は寝ている間に定着する」というのはとても有名な事実です。そのうえで、睡眠と記憶の重要性に関する重要な裏付けとなる実験を紹介したいと思います。

実験参加者に覚えるべき課題を与えてから、「8時間しっかり寝るグループ」と「8時間全く寝ない」グループに分けます。そして各々のグループの学習効果を検証するという実験です。

結果としては「8時間ぐっすり寝るグループ」の方が40%も学習効果のある結果になりました。

8時間ぐっすり寝ていたグループは短期記憶から長期記憶を形成する海馬(脳内にあるゲームのセーブボタンのようなもの)の活動が活発になっていたのです

「短期記憶」と「長期記憶」という単語に馴染みのない読者様もいらっしゃるかと思いますので補足したと思います!

短期記憶とは一時的に覚えている記憶です。より詳しく説明いたしますと、一時的に正しく取り出せる記憶です。人間の脳はとても精巧にできているので、覚えたことはすぐに消えてなくなるわけではありません。正しく取り出せないから忘れたと解釈してしまうのです。

では短期記憶は具体的にどんなものかというと、さっき前を走っていた車の色といった記憶です。もしくは、さっき電車の前に立っていた人の洋服の色といった一時的にしか覚えてない記憶も短期記憶に分類されます。

それに対して私たちが勉強で必要とされる記憶は長期記憶です。例えば、小さい頃のエピソードを大人になった今でも覚えているのは長期記憶に保存されているためです。

徹夜や一夜漬けは才能なので、普通の人は真似しても効果はあまり良くありません。短期記憶だけに頼ってテストに臨むんですもん、めちゃくちゃハイリスクです。

睡眠がとっても大切な理由2:脳内の老廃物質の排出

koala sleeping on tree branch

ここから少し怖い話をします。

結論から申し上げますと、脳内の老廃物は寝てる間にしか排出されません。脳内の老廃物質が蓄積されると認知症を発症するリスクが高まります。

「アミロイドβ」という物質をご存じですか?この物質はタンパク質なのですが、脳内の老廃物質の一つです。そして、「アミロイドβ」は認知症のアルツハイマー病の原因物質です。「アミロイドβ」が蓄積されることによって認知症の症状を引き起こすのです。

認知症を発症し、重度の場合は家族の存在も思い出せなくなります。外に出かけたけどお家に自力で帰れなくなります。そして、認知症を完全に治療する医療技術は現在ありません。

そして、このちょっとばかり怖い脳内の老廃物質は寝てる間にのみ脳外に排出されます。だからこそ睡眠は健康を保つ上でもとても重要なのです。

それでは次に、免疫と睡眠について共有していきたいと思います。

睡眠がとっても大切な理由3:免疫と睡眠

コロナ禍に見舞われる昨今では、自己免疫を高めたいものです。

ここで紹介する実験は、「一晩中徹夜した場合の状況ではなく、たった一晩4時間ほどの睡眠時間を減らした場合での免疫機能の変化」です。

結果は、「たった一晩、4時間睡眠時間を短縮すると、70%ものある免疫細胞数が減少していた」のです。これは、免疫不全にあたる数値になります。

日本語字幕もあるので、お時間のある方はこのTEDを見てみてください!

ちなみに、このTEDの中で紹介されている免疫細胞はウイルスが体内に侵入した際に働くものになります。

また、別の実験では「6時間睡眠を一週間継続する被験者」と「8時間睡眠を一週間継続する被験者」に分けてその後のDNA活性を比較しました。

人間はタンパク質の塊ですが、そのタンパク質の設計図はDNAです。

実験結果によると711個もの遺伝子に変化が現れました。働きが弱まったDNAのうち半数は免疫機能を高めるDNAであり、残りの働きが強まったDNAは腫瘍を形成するものや、慢性的な炎症を引き起こすDNA、ストレスに関するDNAと働きが高まってほしくないDNAが活性化されていたのでした。

6時間睡眠は一見十分な睡眠時間ですが、実際には身体に支障をきたす睡眠時間であることが分かっていただけるかと思います。

心身共に若いときは睡眠不足による支障は気付かないと思います。ですが、慢性性的な睡眠不足は寿命に影響する事実もあります。価値観は様々ですから、短く濃密に生きることも素晴らしい生き方の一つだと思います。

睡眠がとっても大切な理由4:睡眠とメンタル

green ceramic mug on wooden desk

私の身の回りで精神的に辛い状況にある友人を見かけると、「まず一回寝て休むと違うかもよ」と声をかけます。

「身体と心が密接に繋がっている」に関して言葉だけではピンと来ない方も居るかと思います。パニック障害を例に挙げて説明したいと思います。パニック障害とは特に身体の病気がないのに、突然、動悸、呼吸困難、めまいなどの発作が発生する精神疾患です。

パニック障害は「不安な感情(心)から→発作(身体)が出ます」が、「発作(身体)によって電車に乗れない、→怖いという感情(心)も生まれます」。このことからも「心⇔身体」という関係が成り立っていることが分かるかと思います。

このように、身体と心は密接に繋がっているので、身体が疲れているとメンタルの調子も悪くなります。逆に、身体の疲れを取り除くことができれば、精神的にも安定すると言えます。

三大欲求の中でも、食欲と睡眠欲は今の命を繋ぐために必要な本能的欲求です。その生きるために必要な要素が取り除かれると、精神的に不安な状態になり、足りない欲求を満たそうとイライラしてしまうのです。

イライラの感情が無いと人は次の行動には移りませんからね。例えば、締め切り直前でも「焦る」ことによって、締め切り前に作業をしようとしますよね。

では実際に、健康的な睡眠時間がどれくらいなのかを見ていきたいと思います。

適切な睡眠時間

以上のTEDの実験の結果から8時間の睡眠を確保している方々の方が身体的に健康であることが分かったかと思います。そして身体的な健康によって、精神的な健康にも繋がります。

それではまず、睡眠時間と死亡率に関するグラフを見てみましょう。

このグラフは2004年に発表された睡眠に関する論文を図式化したものです。死亡リスクがどの様な要因によるものなのか明記されていないのが残念ですが、7時間睡眠のグループが死亡リスクが最も低いことが分かります。

睡眠時間が4時間未満の人や8時間以上睡眠をとる人の死亡リスクは高い数値になっています。睡眠時間が8時間以上の中には、闘病生活を送っている人々も居るため、睡眠時間が長いことと死亡リスクは一概に言えません。

よってこのグラフから、睡眠時間が短いことで死亡のリスクが高まることが分かります。

次に睡眠時間と糖尿病の発生率を見ていきます。

糖尿病は遺伝傾向の高い生活習慣病になります。この観察実験では家族に糖尿病の無い人を4年間追跡することによって、睡眠と糖尿病発症の関連性を見たものになります。

このグラフから、5時間以下の睡眠では糖尿病発症率が極端に高いことが分かります。

次に血圧と睡眠時間の関係を見ていきます。

アメリカで8年から10年追跡調査を行い、2006年に報告された睡眠時間と高血圧に関する結果のグラフです。32歳から59歳、32歳から58歳の直線からこれもまた5時間以下の睡眠時間の場合高血圧になるリスクが高いことが分かります。

ただ、とても興味深いのは60歳から86歳においては5時間以下の睡眠時間のほうが高血圧のリスクが低いということです。

このカラクリは至って簡単です。お年を召すと夜中でもトイレが近くなりますよね。人間は本来、寝てる間は尿は生成されません。ですが、年を重ねるにつれて寝ている最中にも尿を生成するようになります。だからこそ、お年を召すと夜中でもトイレが近くなるのです。

5時間以下の睡眠時間の方は、短い睡眠時間であるため、おトイレに行った後に水を飲もうという意識が湧きます。それに対して、睡眠時間の長いお年寄りの方は体内で尿が生成されているにも関わらず、寝ているため水分補給をしません。これにより体内の水分量が低くなり、高血圧のリスクが高まるという結果になります。

健康の要素は高血圧だけではありません。高血圧を抑えたいがために睡眠時間を削るとすると、脳内の老廃物量の蓄積量増加、糖尿病と死亡リスク増加と異なるリスクを招く可能性があります。

まとめますと、年齢にもよりますが7時間から8時間睡眠が理想になります。睡眠時間は各々の遺伝傾向にもよりますが、長すぎても、短か過ぎても健康に良くありません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

先進国では忙しいことが良しとされ、睡眠時間を削ってまで勉強やお仕事をしている人が多く存在します。ですが、不十分な睡眠は「記憶力の低下」、「認知症の原因物質アミロイドβの蓄積量増加」、「免疫機能の低下」、「精神の不安定」、「死亡リスクの増加」、「糖尿病リスクの増加」、「高血圧のリスク増加」とそこそこ怖い結果を招きます。

だからこそ私にとって、寝ない自慢はタバコを吸う自慢と似たような感覚があります。他の方が寝ないことに関してはタバコのような煙の副流煙は無いんですがね!

飛んで火にいる夏の虫といいますか、良くないと分かっているものを進んでする所を見るとザワザワするものです。せめて、私が放課後等デイサービスで見ている子供たちには睡眠不足状態では居てほしくありません。
ですので、読者の皆さまも忙しいかとは思いますが7時間から8時間は睡眠時間を確保して、心身の健康に努めましょう🦉!私は寝すぎなので気を付けます🦉!それではまた!

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