アタッチメント(愛着)の形成と愛着障害

「愛着障害」という言葉を最近ではよく耳にするようになりました。一般的に言われている「愛着障害」と学術的な愛着障害では若干の違いがあるので、今回は愛着障害を深く理解するために、まず「愛着」と「愛着形成」について共有していきたいと思います!

愛着障害でのアタッチメント(愛着)の定義

smiling woman carrying baby

愛着障害をより深く理解するためにまず、「愛着」(以下アタッチメント)の定義について説明したいと思います。アタッチメントとは特定の他者と情緒的絆を持つことです。

このなかで、特定の他者とは家族や養育者(お父さん、お母さん、祖父母、兄弟等)を指します。アタッチメントと聞くと依存かな?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、依存は対象を選ばず、誰でも安心感を与えてくれる相手だとしてしまうことです。

それに対し愛着とは自分の身内の人に愛情を求めるに対して、依存はなりふりかまわず周りから愛情を求めることになります。

愛着の形成は、適切な時期に養育者との間でスキンシップ等の愛情を感じ取れることで獲得していきます。幼少期に不適切な環境や関わりを持つことで愛着形成が阻害されると、日常生活での人間関係に影響を及ぼしてしまいます。

アタッチメント(愛着)タイプを判断する有名な実験

person holding baby's hand in close up photography

心理学の教科書には絶対載ってる実験です!

「ストレンジ・シチュエーション法」といい、アタッチメントを測定する有名な実験です。

初めての場所や知らない人の出現、母親の不在とストレスの多い状況で乳児の愛着行動を観察します。実験を標準化するために細かい設定がたーっくさんあるんですが、難しいので図と合わせて簡単に説明いたします!

そして、その後の反応からが重要な観察対象になります!

アタッチメント(愛着)の安定型と不安定型、回避型

person holding baby's index finger

実験と実験結果を先に説明してしまいましたが、ここではアタッチメント4タイプの分類につて説明していきます!

まず、安定型ですが、大部分の方がこの安定型に分類されます。統計的には65‐75%を占めます。安定型に分類される人々は成長後も自分の安心できる場所を上手く確保、活用し新しい環境に対しても探索、適応していけます。

また、人間関係においても安心できる基盤を置いて、そこから交友関係を広めることもできる傾向になります。

次に不安定型に分類されるのはツンデレな回避型、お母さんから離れられないアンビバレント型になります。不安定型は統計的に25-35%ほどを占めるそうです。

不安定型の子も家庭での行動はあまり安定型の子たちと大差はありません。ですが、不安定型は自分の心のよりどころを上手く活用するのが苦手なので、その不安のために新しい環境や人間関係に慣れるまで時間がかかる傾向があります。

最後に接近と回避に一貫性の無い無秩序型について説明します。アタッチメントは安定、不安定に多くは分類されていたのですが、1990年代に安定不安定型とはまた別に新たに分類されたものになります。

原因としては子供の中で解決されていない心の傷や、うつ傾向の強い母親の養育虐待によることが推測されます。その不安定さのために一貫した人間関係の構築が困難で、適切な人間関係が構築が難しいことから愛着障害として診断されることもあります。

とても大切なことなのですが、不安定型も回避型も精神疾患ではないです!アタッチメントの4タイプは性格の一つだと思ってください。

例えば、神経質であることは性格であって病気ではありませんよね。ただ、度を越し、本人の生活にも影響を及ぼし辛く感じていて、基準を満たせば疾患として診断されることもあります。ですのでアタッチメントの凹凸も同様のことが言えます。

まとめ

この記事を読んでから愛着障害に関する記事を読むとより理解が深まると思います!それではまた🦉!

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