勉強が苦手な子に勉強してもらうための3つの工夫

全然、勉強しようとしてくれない子どもたち

person holding on red pen while writing on book

放課後等デイサービスでは学習障害をはじめとする、発達障害のある生徒たちに学習支援を行っています。

勉強が苦手な生徒たちは、勉強に取り掛かってもらうまでが大変です。また、勉強に取り掛かってくれたかと思えば投げ出してしまうこともしばしばです。

ではそんな勉強が嫌いな生徒らに実際にのような声かけをして机に向かってもらってい少しでも多く学習に取り組んでもらうよう工夫をしているかを紹介していきたいと思います!

フットインザドア法:少ない課題から徐々に増やす

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フットインザドア法について紹介いたします。英語を日本語に訳すと、足をドアにはさむという意味になります。

フットインザドア法は最初は受け入れやすい小さい要求を相手に受け入れてもらい、その後からどんどん大きな要求も受け入れてもらうという手法です。

放デイでは、最初に簡単に取り組める量の少ない課題に取り組んでもらい(受け入れやすい要求)、その後に苦手な問題に取り組んでもらう(大きい要求)、という工夫をしています。

ですが、フットインザドア法小学生にはあまり向いていないように感じます。というのも、勉強そのものが嫌いなので勉強自体が大きな課題になってしまうからです。

ですので、小学生には次の項目で紹介するドアインザフェイス法を使うことが多いです。

では、どのような生徒にフットインザドア法が有効かというと、「勉強をしなきゃいけないのは分かってるけど、勉強の意欲はあるけど、気が乗らない利用者」です。彼らは勉強に対する意欲はあるので、最初のエンジン(受け入れやすい要求)さえかければ、取り組むべき課題(大きい要求)に応じてくれるからです。

ドアインザフェイス法:無茶ぶりからの本来の課題に

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次にドアインザフェイスです。日本語にするとドアに顔をはさむという意味になります。これは、最初に無茶なお願いをすることで、次の小さめな要求を受け入れてもらうという手法です。

最初にドアにはさむ顔は捨て身な(大きな要求)で、そんなに体を張るなら話し聞いたるよ(本来呑んでほしい最初よりも小さい要求を呑んでもらう)な心理です。

勉強に誘導する際には次のように実践しています。最初に難しい問題を見せてこれをやろうと誘います(大きな要求)。

ですがもちろん難しい課題であれば「やりたくない」となるので、次に本来取り組んでほしい課題に誘導するという工夫をします(本来呑んでほしい最初よりも小さい要求)。大きな要求は取り組んでほしい課題のための生け贄のような存在です。

小学生や天邪鬼な性格な子、「いやいや」をいう子に有効になります。「先生がこれやろうって言ってきたから、別のやつをやろう」と考えるようです。また、自分の意思で選択したという感覚があるため取り組みやすくなります。

自分で課題を選択してもらう

toddler sitting on desk

生徒らは日々学校や家庭で「こうしなさい」「ああしなさい」と行動を制限されています。学校では集団生活をしているので仕方がないことですが、幼い子供たちには窮屈に感じるのも当然です。

学校が終わったかと思えば、放課後デイでまた勉強するのですから学生も大変です。そこでせめて勉強をまた強制されているという感覚を減らすために、取り組むべき課題をいくつか用意して、利用者自身に選択してもらうという方法を取ります。選択肢はあまり多くしないほうが脳への負担が軽く、答えやすくなります。

「何の勉強する?」と聞くと勉強が嫌いな利用者は決まって「やりたくない」と返ってきます。だからこそ2つから3つ準備して「どれにする?」と選択権を生徒等にゆずります。

選択肢をいくつか準備したからといって、プリントに見向きもしてくれないこともあります。また、「どれでもいい」と選んでくれない場合もあります。そんなときは指導員が課題を選んでしまいます。今回は指導員が課題を選択したとしても、一度選択権を握ることで、自主性も育むことができるからです。

まとめ

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