勉強が嫌いになる心理学的理由とその対処法

出来ないことをやるのは辛いですよね、
だから勉強も嫌にもなっちゃいますよね!

「なぜ勉強が苦痛」になってしまうのかを今回は心理学的根拠に基づいて説明していきたいと思います!そして、その原因を突き止めることで、原因を取り除き、勉強に対する姿勢が変化したら幸いです!

概要:勉強を嫌う子どもたち

勉強が嫌いで嫌いで仕方ない!!!というお子さんは多いですよね。学習支援をしていますが、まず机に向かってもらうまで時間がすーっごくかかります。

お家だったら机は勉強机ではなく、物置になってるのが利用者の様子から目に見えます。

「なぜ人は、勉強を嫌いになってしまうのでしょう」

と哲学か悟りかを開いてしまいそうな日々ですが、その悟りを閉じるために、心理学的根拠をもとに有名な実験を交えて説明していきたいと思います!

また、せめて、せめて…!!「勉強が好き!」とまではいかなくていいので、「まあ、勉強してやってもいいかな」なんて言ってもらうために心理学的にどうすればいいか、説明していきたいとおもいます。

頑張ろうとしない原因:学習性無力感

早速ですが、心理用語を使って説明します!

人は嫌いなものに対して無意識に「学習性無気力感」というものが働きます。

学習することに対して無気力になってしまう、という意味ではなく、無気力になってしまうことを学習する。つまりは、どうあがいたって無理だと投げやりになってしまうことです。

ですので、学習性無力感は勉強することに対してだけでなくどうやったって上手くいかない料理や、私ならいつまで経ってもできるようにならない整理整頓とか、上手くならない車のバック駐車に対しても使うことができます。

ちなみに、学習性無力感が日々の生活に対しても向かい、重度になるとうつ病の原因にもなります。

学習性無力感の有名な実験

では、頭の良い先人たちがどのようにしてこの「学習性無力感」を見つけたかの実験について説明していきます。

ちょっぴり可哀そうな実験ですが、

イヌをハンモックにくるみ、どうあがいても逃げることのできない状況下で電気ショックを与えます。最初のうちは逃げ出そうとしてあがくのですが、次第に諦めて電気ショックを回避する方法を学ぼうともしなくなりました。そして、ただうずくまって電気ショックが終わるのを待つだけになってしまったのです。

よって、イヌは自分にはショックを止めることがきないと学習したといえます。

人間の場合にも同様のことが観察されることが実際に報告されています。大学生にもともと解決不可能な問題を解かせた後に、解決可能な問題を与えて解かせても、無力感に陥り、成績が低下してしまったのです。

この様子は普段の生活に見られる学生の様子にとても似ていますよね。

学習について分かる二つのこと

心理学的にいう「学習」と、学校でいう「学習」は若干違いがあります。学校のいう学習とは国社数理英の5教科に対する勉強を指すことが多いに対し、心理学の「学習」はある能力を得る事です。ポケモンが新しい技を覚えた!に近い感覚です。

そして、学習無力感の実験から分かる二つ事ですが、一つ目は「無力感や無気力感は生まれつきなものではなく、学習し獲得していくもの」です。イヌの実験でも分かるように、イヌはハンモックに包まれ電気ショックを受ける環境から最初は逃げようとあがきます。

ですが、逃げられないことが分かって無気力になってしまうのです。だからこそ、子供たちに勉強を教える立場にある人々はどうしようもない出来ないことばかりを与えるのではなく、自力でできることから難しいことにチャレンジできるように教育的配慮が必要になっていきます

そして二つめが、「無力感や無気力のような、あまり望ましくない行動や態度も学習される」ということです。「学習」と聞く勉強と結びつき、いいことやじゃん!と思ってしまいがちですが、成人すれば喫煙のような健康に良くない習慣や、ときとして窃盗と法に触れることも学習してしまいます。だからこそ、「学習」には良いことのみならず、悪いことも含まれます

できた!の積み重ね:シェイピング法

それでは、無気力感を学習しないためにはどうすればいいかを実際に説明していきたいとおもいます。

水族館でイルカのショーとかあるじゃないですか。イルカは最初からあんなにいうことを聞いて、最初っから上手なショーを見せてくれるわけではありません。様々なパフォーマンスを少しずつ達成して餌をもらった積み重ねがあってやっと、イルカのショーが完成するのです。

イルカのショーと同じで、学校の勉強も、簡単なことから徐々に難しくしていって困難な課題を解決していくと挫折感がすくなくなります。

これが、心理学的には「シェイピング法」と呼ばれるものです。

勉強が苦手な子供のなかには、自分の学年の学習内容が十分に修得できていない子も居ます。焦ることはないので、家庭学習で使う学習ワークでは学年を下げてもいいので、徐々にできることから積み上げていきましょう。

同学年であっても4月生まれと3月生まれでは1年近くの差があります。だからこそ、みんながみんな自分の学年の学習内容を全てマスターしなきゃ!!!と焦る必要は無いと思います。人によって足並みがすこしゆっくりでも、出来るよ!が最終的に達成できれば良いのですから!!

まとめ

いかがだったでしょうが!普段から自身も学習支援をしているので、どうしても利用者に難しい課題を与えてたくてってしまうのですが、そこをぐっとこらえて、適切な支援を提供していきたいです!それではまた!

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