今回はくもん出版が出版している小学校1~6年生向け教材の「くもんの小学ドリル計算シリーズ」を使った指導方法と、使ったときのレビューを紹介します。
Table of Contents
商品概要
教材名 | 「くもんの小学ドリル計算シリーズ(全12巻)」 |
発売元 | くもん出版 |
定価 | 748円 (税込み) |
対応学年 | 幼児~小学6年生 |
〔本書のねらい〕
「基礎からスモールステップでくり返し学習」「自分で解ける→自信ややる気につながる」という一連の流れにより,基礎基本や学習習慣をしっかり身につけ,自学自習で進めることができます。また,ラインナップ間の接続(前巻の復習&次巻への導入ページを増やす)強化により次へ次へと進む自信を育み,「学年を越えて進める」構成になっています。
出版社コメント
簡単な問題で無理なく進めるので、子どもも嫌がらずに取り組めているシリーズです。1学年上の先取り学習として使っています。レベル自体は高くないので、これだけで十分とは言えませんが、基礎固めや入門には最適だと思います。
Amazonレビュー
使用レビュー
今回は小学生の3人の生徒で使用感を比べてみました。
対象児童
・Aさん 小学5年生、活発な子、せっかちなところもある。割り算が苦手。 |
・Bくん 小学5年生、算数は得意。文章問題よりも計算問題が好き。集中して学習ができる。 |
・Cくん 小学4年生、形と空間を把握することが苦手。バランスよく文字を書くことが難しい。 |
指導方法
- 問題演習を行う。
- 答え合わせを行う。
- 間違ったところを、もう1度解かせる。
結果
それぞれの子に使ってみた感じをまとめました。
Aさん 割り算の商を概算で出すことが難しく、つまずいてはすぐに「分からない!」と言って支援員にヒントを求めた。そして、ヒントを聞き終わる前に「じゃあ、これ?」と答えが合っているのか確認を求めた。 |
Bくん 問題を黙々とこなし、ほとんど正解していた。丸付けのあと、自分のミスに気が付き、すぐに正答へと直すことができた。 |
Cくん 黙々とやっていたが、筆算の問題を解く際に書いている数字の大きさがバラバラになったり、『0』なのかそれとも『6』なのか判別しづらい数字を書いたりして、それがもとで計算ミスが多くなってしまった。 |
総評
評価 | ★★★☆☆ |
レベル | 初級教材(取り組む子のレベルに合わせて教材のレベルを変えるのもあり) |
この計算シリーズは、小学校6年間で習う計算を種類別に構成してあります。そして、苦手な計算や練習しておきたい計算を系統的に学習できるため、その子の習熟度に合わせて教材の学年を変えて取り組んでもらうという使い方もできます。実際に、割り算が苦手なAさんには、4年生向けの教材に取り組んでもらいました。
また、使用する上での注意点としては、計算スペースが少し狭いため、細かい運筆が難しい子には大きくコピー印刷したものを取り組んでもらうなどの配慮が必要な点かと考えられました。
この教材が向いてるタイプ
・ミスしたところを自分で確認できるタイプ 自分で答え合わせができるので、多くの問題を練習することができます。 |
・単純作業が好きで観察力が高いタイプ 計算問題をたくさん解いていく中で、『各桁の数字を足すと3の倍数になる数字は3で必ず割り切れる』といった数の法則を見出し、暗算力が高まるかもしれません。 |
向いていないタイプ
・そもそも計算の仕方を忘れてしまったタイプ 計算のやり方が簡単に言葉で書いてあるだけなので、それを読んだだけで、思い出すことが難しい子もいるかと思います。 |
・細かい運筆が難しいタイプ 計算スペースが狭く、マス目も入っていないため、計算ミスが多くなってしまいます。 |
指導のポイント
こちらのタイプの子たちは、この一工夫で使えるようになるかも。
計算の仕方を忘れてしまったタイプの子の指導
取り組むページの問題を解くための計算の仕方を予め解説してから、解かせてみるといいでしょう。
細かい運筆が苦手なタイプの子の指導
マス目ノートに問題を書き写したものを解かせてみると良いかと思います。慣れてきたら、教材を大きくコピーして、筆算の問題には各桁の間に縦線を入れてみるといった工夫も良いでしょう。
教材を許可なく私用以外でのコピー、再配布することは禁じられています。個人の利用の範囲内で使用して下さい。
効果には個人差があります。「まなぽん!」は、それぞれの子どもの特徴にあった指導法を知ってもらうためのサイトです。初めから子どもの特徴を決めつけず、紹介している様々な方法を試してみて、その子に合ったより良い指導法を見つけみてください。(「こんな子の場合の指導法が知りたい!」などのご希望があればコメントでも受け付けております。)