今回は株式会社学研プラスが出版している小学校5年生以上向け教材の「5分で論理的思考力ドリル ちょっとやさしめ」を使った指導方法と、使ったときのレビューを紹介します。
Table of Contents
商品概要
教材名 | 5分で論理的思考能力 ちょっとやさしめ |
発売元 | 株式会社 学研プラス |
定価 | 1100円(税込み) |
対応学年 | 小学5年生~ |
対象年齢は、10歳から120歳まで。
必要なのは小学4年生までの算数の知識だけ。
頭をつかう珠玉の問題が勢ぞろいで、楽しくてハマる人が続出!
誰でも楽しく論理的思考力を身につけられるドリルです。
出版社コメント
問題や課題を解決する考え方のアプローチとして、①問題の本質を見抜く。②これまで思いつかなかった方法を思いつく。③問題が解決するにはどうすればいいか、逆算する。④ありうる可能性をすべて洗いだす。⑤手順を組み立てる。といった、“5つの思考回路”を活用することが必要とされています。
この教材では、必要とされている思考回路ごとに、章が分かれて掲載されています。また、“5つの思考回路”について知ることで、解答者がものを考えるときの特徴や、得意な考え方を把握することもできます。
ちなみに、私たちは、この本に出てくる問題を通じて論理的思考が育まれ、そして、「考えることは、楽しいことだ」と体験して欲しいという思いでこの教材を使うことにしました。
使用レビュー
今回は小・中学生の3人の生徒で使用感を比べてみました。
対象児童
Aくん 小学6年生、集中して勉強することができる。国語よりも算数が得意。 |
Bさん 中学2年生、中学受験経験者。パソコンに詳しい。学校の勉強には気が乗らないが、頭を使うことは好き。 |
Cくん 中学2年生、英語が得意。数学は、初見の文章問題でなければよくできる。 |
指導方法
- 5分以内で問題を解いてもらう。
- 制限時間内に答えが出せなければ、次のページにあるヒントを見てもらい、もう一度、5分以内に解いてもらう。
- 丸付け、解説を行う。正解した場合は、なぜそう考えたのか聞いてみる。
結果
それぞれの子に使ってみた感じをまとめました。
Aくん 具体的な数字が出されている問題への正答率は高かったが、位置関係や順番を文章から読み取るような問題にはヒントがなければ答えを出すことが難しかった。 |
Bさん ほとんどの種類の問題をヒントなしで答えることができた。 |
Cくん 取り組んだ問題全てに「難しい...」とつぶやきながら、取り組む。集中が切れてきたのか、後半は誤答が目立った。 |
総評
評価 | ★★★☆☆ |
レベル | 上級教材 |
教科国語のように、文章に書いてあることから答えを探し出していく読解力とは違い、文章に書かれていないことに対して、思考力を働かせて取り組んでいくタイプの読解力が試される教材だと感じました。いうなれば、公務員試験に課せられる数的推理や判断推理、一般企業の入社試験に課せられるSPIの推論問題に近いものでした。
取り組ませる前提条件として、国語の論述問題や算数の文章題がある程度正確に解ける子が望ましいかと思います。
この教材が向いてるタイプ
・イラストから想像できるタイプ イラストを手がかりとして、何が問われているのかだったり、答えを求める方針がわかる可能性があるかと思われまます。 |
・好奇心が高く考えることが好きなタイプ 根本的に学校の国語や算数と違うので、知識がなくとも取り組むことができるため、向いていると言えます。 |
向いていないタイプ
・文章に書いていないことを想像することが苦手なタイプ 文章に書いていないことについても考えて解いていくように作られている教材であるため、この手のタイプの子には難しいかと思います。 |
指導のポイント
こちらのタイプの子たちは、この一工夫で使えるようになるかも。
文章に書いていないことを想像することが苦手なタイプの子の指導
先にヒントを見せて、解くための手法を支援員が手ほどきをしながら、取り組んでみると良いかもしれません
教材を許可なく私用以外でのコピー、再配布することは禁じられています。個人の利用の範囲内で使用して下さい。
効果には個人差があります。「まなぽん!」は、それぞれの子どもの特徴にあった指導法を知ってもらうためのサイトです。初めから子どもの特徴を決めつけず、紹介している様々な方法を試してみて、その子に合ったより良い指導法を見つけみてください。(「こんな子の場合の指導法が知りたい!」などのご希望があればコメントでも受け付けております。)