今回は株式会社かんき出版が出版している中学3年生向け教材の「中学校3年間の数学がしっかりわかる問題集」を使った指導方法と、使ったときのレビューを紹介します。
Table of Contents
商品概要
教材名 | 「中学校3年間の数学がしっかりわかる問題集」 |
発売元 | 株式会社かんき出版 |
定価 | 1320円(税込) |
対応学年 | 中学3年 |
数学の実力を着実に身につけるために、「基礎的な問題から解いて、少しずつ応用に入る」ことがセオリーとなっています。この教材は、「試してみる」、「解いてみる」、「チャレンジしてみる」の3つのステップを踏んで、基礎力から応用力まで無理なく伸ばすことをコンセプトに作られています。
高校受験に必要な数学の基礎学力を伸ばして欲しいという思いがあってこの教材を使うことにしました。
使用レビュー
今回は中年生3年生の2人の生徒で使用感を比べてみました。
対象児童
・Aくん 中学3年生、数学で高得点を取ることができるが、ケアレスミスが多く、他の教科よりも問題数や時間をかけて取り組んでいるタイプ。 |
・Bくん 中学3年生、計算は得意だが、方程式の文章問題が苦手。 |
指導方法
- 「試してみる」の問題を使って、重要事項の解説を行う。
- 「解いてみる」と「チャレンジしてみる」の問題に取り組んでもらう。
- 答え合わせ・解説を行う。
- 生徒の理解度に合わせて、必要ならば次回も同じ問題を取り組んでもらう。
結果
それぞれの子に使ってみた感じをまとめました。
Aくん セクションのテーマを意識して、問題に取り組むことができた。解を出すまでの過程の考え方がよくできており、解答スピードも速かった。しかし、計算問題でのケアレスミスが多く、問題を数多くこなす必要性が感じられた。 |
Bくん 連立方程式の文章題に取り組む。「試してみる」の問題解説の記述が腑に落ちたのか、後の問題はミスをすることなく正答することができた。 |
総評
評価 | ★★★★☆ |
レベル | 初級教材 |
この教材を実際に使用してみての印象は、「試してみる」の問題が穴埋め式になっているため、解説時に発問がしやすかったです。その上、入試問題を解いていく上で頭に入れてほしい事項が掲載されており、総合的に使いやすかったです。そういった観点から、高校受験のための基礎学力を伸ばすには良い教材だと思いました。
この教材が向いてるタイプ
・中学3年間の内容を絞って復習したい子 どの学年で習った単元なのか、目次や「試してみる」のページ右上に記載されており、取り組むセクションが58に細分化されているので、このタイプの子にはお勧めです。 |
・数学の問題を解くにあたって要領を得ることが難しくて困っている子 各セクションごとに、そこの問題を解くにあたって一貫して必要な事項がテーマとして記載されております。また、知っていると入試で他の生徒と差をつけられるような抑えるべきポイントも書かれているので合っているかと思います。 |
向いていないタイプ
・パターン学習で力を伸ばすタイプの子 計算問題や文章問題が数多く収録されていないため、このタイプの子を指導するには問題数が足りないかと思います。 |
・入試のために融合問題を解きたい子 いくつかの単元の内容を統合して作成された融合問題が掲載されていないため、数学が得意で実力テストでさらに点数を上げていきたい子にとっては、物足りない内容かもしれません。 |
指導のポイント
こちらのタイプの子たちは、この一工夫で使えるようになるかも。
向いていないタイプの子への指導
上記の2タイプの子には、基本事項の確認としてこの教材を取り組んでもらいます。そして、「パターン学習で力をつけるタイプの子には、問題数が多く掲載されている問題集を解いてもらう。」、「融合問題を解きたい子には入試予想問題集や入試の過去問を解いてもらう。」といったように、その子の要望に合った問題集をもう1冊用意すると良いかと思います。
教材を許可なく私用以外でのコピー、再配布することは禁じられています。個人の利用の範囲内で使用して下さい。
効果には個人差があります。「まなぽん!」は、それぞれの子どもの特徴にあった指導法を知ってもらうためのサイトです。初めから子どもの特徴を決めつけず、紹介している様々な方法を試してみて、その子に合ったより良い指導法を見つけみてください。(「こんな子の場合の指導法が知りたい!」などのご希望があればコメントでも受け付けております。)