どうも!台湾の大学で心理学を専攻したフクロウのフクちゃんです!今はその心理学の専門知識を応用して放課後等デイサービスで学習支援をしています🦉!
放課後等デイサービスで学習支援をする前は、学習塾で塾講師をしていました。授業をしてきた生徒数は100人近くにのぼります。
中には勉強が得意な子、勉強をしてこなかったけど能力値が高くて勉強方法を教えるとメキメキ成績が上がっていった子、勉強が嫌いな子、勉強が苦手だけど少しずつ努力して成果を挙げた子と様々なタイプの子供たちが居ます。
そんな経験から、「放課後等デイサービスで学習障害のある子たちへの学習支援もいける!」
なんて思ってたんですが、より一層の工夫が必要だと痛感させられました。
というのも、学習塾で定型発達(凹凸のない子どもたち)の子どもたちに勉強を教えるのと、発達障害のある生徒に勉強を教えるのでは、意識する点が異なったのです。
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概要:勉強を避ける理由
放課後等デイサービスでは注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)のある利用者に勉強を教えています。
定型発達の子どもたちも「勉強楽しいわーーい!」なんて言って勉強を楽しんでいるのはごく少数で、勉強が嫌いな子が大多数です。
それに対して、発達障害のある子どもたちは勉強するまでとても時間がかかります。
そりゃそうですよね、苦手なことをやらされるんですもん、そりゃなかなか動き出してくれません。
勉強嫌いな利用者らが勉強を嫌がる大体の理由は、「間違えるのが怖い」、「問題をどうやって解けばいいか分からない」から勉強を避けます。
逆に言えば「間違えることに対する恐怖心」、「問題の解き方の理解」ができれば勉強を嫌がることが少なくなり、机に向かうことが増え、少しずつですが勉強に対する姿勢が変わっていきます。
以下では実際に勉強が苦手な利用者らの「勉強の苦手意識の払拭」のために凝らしている工夫を三つ紹介したいと思います。
其の一:「間違えても大丈夫」
授業中、どこまで学習内容を理解しているか把握するためによく生徒に質問をします。その際に黙り込んでしまう生徒たちがとても多いです。
あ!黙り込んでしまうことはぜんっぜん!悪くありません!
「黙ってしまう理由」を探らず、その後を対処しないのは良いことではありません。
黙ってしまう理由は大きく分けて2つあります。「本当に分からない」か、「間違えるのが怖い」のどちらかであることが多いです。
「本当に分からない」場合は全然問題ありません。だって教えればいいんですもの!分からない所を見つけられて万々歳です!あとは分からないことを少しずつ理解できるようにサポートすればいいのです!
ただ、少し厄介なのが「間違えるのが怖い」です。
人間なんだから間違えたってなあーーんの問題も無いんですよ、それに勉強は×から〇に変えることに意味がありますから、まず間違いを見つけることはとても価値のあることです。
そして「間違えるのが怖い」を放置すれば勉強が嫌いになる一方です。だって、学年が上がるごとに問題は難しくなり、間違えることが多くなりますから。
ですので、「間違えるのが怖い」場合は必ず「間違えることは悪いことではない」と伝えてから、安全に一度間違えてもらいます。
そうして解答を間違える恐怖を払拭できるようになった子供たちは積極的に質問したり、ペンを動かすのが速くなったりします。
其の二:2,3個の選択肢を用意して質問する
「今日の夕飯何にする?」の模範解答って何ですか(´;ω;`)?
それよりも「今日の夕飯ハンバーグか餃子、それかアジの開きどっちがいい?」のほうが圧倒的に答えやすいですよね、勉強でも同じことがいえます。
「今日の夕飯何にする?」のように、はい/いいえで答えられない質問を心理学では開かれた質問(Open Question)といいます。「今日の夕飯ハンバーグか餃子、それかアジの開きどっちがいい?」といった狭められた質問は閉ざされた質問(closed question)といいます。
基本的な理解がある場合は「どうやって解くかは大丈夫そう?」と開かれた質問をしたほうが理解が深まり、学びが定着します。
ですが、方針が全く立ってない状態であるなら「アの考え方か、イの考え方どっちだと思う?」と閉ざされた質問のほうが次のステップに進みやすくなります。
「何もできない」「何もわからない」が挫折感の根本的な理由です。
だからこそ、「アとイどっちだと思う?」と閉ざされた質問でまずは誘導することによって考えの筋道を提示し、「出来た!」という達成感を利用者に味わってもらいます。そしてその少しずつの成功体験が成績アップに繋がっていきます。
其の三:「なんで」をつけて質問しない
これは臨床心理学を学ぶ上で、耳にタコができるくらい教え込まれたものです。
座学で学んでいる際は、
「うわあー、なにそれーーーやりずら!!」なんて思っていましたが今なら理解できます。なぜなら、「なんで」って相手を責めてるように聞こえやすいんです。
悪い点数を見るとつい「何でその点数になったの?」「何で分からないの?」とついつい言ってしまいたくなります。
ですが、「なんで」はそもそも開かれた質問でなおかつ責めている口調です。
相手の考えを理解することが質問の目的だったはずなのに、これでは何も考えを理解できないばかりか、信頼関係が崩れることもあります。
だからこそ「なんで」を言いたくなってしまったときには、質問の範囲を狭めています。「どうやって解こうとしたの?」だとか、「どの辺がよく分からなかった?」
と同じ目線に立つように工夫しています。
そうすることで、本来の目的であった利用者の考えを理解するが達成しやすくなるのです。
まとめ
「勉強嫌い」はきっと今まで学生生活のなかで蓄積されたものなので、この三点を一日実践しても、すぐには勉強に対する苦手意識を払拭して、成績が上がるわけではありません。
子どもたちが地道な努力が必要であったように、学習指導員にも努力が必要です。