今回は「かもがわ出版」が出版している小学生向け教材の「算数文章題イメージトレーニング」(算数)を使った指導方法と、使ったときのレビューを紹介します。
Table of Contents
商品概要
教材名 | 算数文章題イメージトレーニング(算数) |
発売元 | かもがわ出版 |
定価 | 2200円(税込み) |
対応学年 | 小学校低学年~ |
文章題を解くのが苦手な子、特にLDなどの障害をもつ子を対象とし、イメージ化からフィードバックをトレーニングするワークシート。1は、たし算とひき算のみの問題
Amazons商品紹介
使用レビュー
今回は支援級、支援学校の3人の生徒で使用感を比べてみました。
対象児童
● Aちゃん 支援学校高等部、特徴→コミュニケーション能力等はとてもよく出来る。 |
● Bくん 中学3年生支援級、特徴→文章読解や作業指示を行うと非常に読み飛ばしが多い。 |
● Cくん 支援学校高等部、特徴→こだわりが強く、予定時間を過ぎることを嫌がる。 |
指導方法
- ワークシート①は「たし算・ひき算」。②は「かけ算・わり算」と別テキストになっています。
- さらに各テキストごとに「絵から問題文を書く」タイプの問題と「問題文から絵を描く」タイプの問題に分かれます。
- 基本は一回の学習に1枚目安で行っていきます。
- 「かけ算・わり算」のみの児童と、「たし算・引き算」「かけ算・わり算」の両方を使う児童に分かれますが、どちらの場合もテキストを順番に前から行うのではなく、特性に合わせて、順番がバラバラになったり、問題文を書くパターンと絵を描くパターンが交互に来るようにしたりします。
結果
それぞれの子に使ってみた感じをまとめました。
Aちゃん かけ算が苦手でしたが、だんだんと出来る様になってきました。問題文を絵に描いてそこから、計算式に起こすパターンを主にやっています。 |
Bくん たし算・ひき算は問題なく、わり算はまだ難しいようなので、かけ算のみを行っています。「絵を描く」「問題文を書く」は交互になるようにしています。 |
Cくん 問題文からの「なに算か?」の読み取りが苦手なため、順番がばらばらになるようにして「絵から問題文を書く」ものだけを行います。 |
総評
評価 | ★★★★☆ |
レベル | 初級教材 |
文章題を絵を見る(描く)ことで、理解していくという普段、先生側がホワイトボードやノートでやっていることを、きちんと教材として使いやすい形にしています。
「どうして答えはそうなるのか」を絵でわかりやすく表現する(できる)・読み取る訓練に最適です。
ただ、問題によっては絵を描く作業の分量が多くつらい場合があります(例えば、たこやきを66個作りました。そのうち25個を食べました。残りは何個?)。
また、問題文ではなく、タイトル(『かけ算①』など)をみて、かけ算かわり算かを判断してしまうケースもありましたので、その際には、タイトル部分を塗りつぶす必要があります。
順序にこだわらず、上手く使用する児童に合わせて、行うページを調整した方が良いと思います。
この教材が向いてるタイプ
・算数の基本から学びたいタイプ 「割るってどういう意味?」といったことを理解させるのに最適です。 |
・文章題から、なに算か読み取れないタイプ その訓練にぴったりの教材です。 |
向いていないタイプ
・絵を描くことにこだわりを持ってしまうタイプ 絵がうまく描けないことにつまずいたり、極端に時間がかかったりします。 |
指導のポイント
こちらのタイプの子たちは、この一工夫で使えるようになるかも。
絵を描くことにこだわりを持ってしまうタイプの子の指導
省略や抽象化が苦手なのか、きちんとした絵を描こうとして描けなかったり、時間がかかりすぎる場合もあります。絵から問題文を作成するタイプの問題を使うか、先生が代わりに描いてあげても良いと思います。その際、抽象的な絵を使い、うまくより抽象的な「数字」というものに結び付けられれば、ベストかなとは思います。
教材を許可なく私用以外でのコピー、再配布することは禁じられています。個人の利用の範囲内で使用して下さい。
効果には個人差があります。「まなぽん!」は、それぞれの子どもの特徴にあった指導法を知ってもらうためのサイトです。初めから子どもの特徴を決めつけず、紹介している様々な方法を試してみて、その子に合ったより良い指導法を見つけみてください。(「こんな子の場合の指導法が知りたい!」などのご希望があればコメントでも受け付けております。)